ご相談内容
G県在住のヒロさん(40代)から「なんで弟が自殺したのか、わからない。死ぬほどの悩みなんてなかった!」 前日に会ったがいつもと変わらず、察せられなかった自分を責めている、と嘆いていらした。先週の金曜日に、自宅マンションのお風呂場で首を吊って命を絶った。発見したのがヒロさん。虫の知らせか、胸騒ぎがして訪ねると、弟が無惨な姿で絶命していた。
弟さんは独身ではない。4歳上の妻と小学生の娘がいて、別居してる訳でもない。連休を利用し妻が娘を連れ京都を旅行中に、悲劇は起きた。体が震え失語症となったヒロさんに代わり 夫が連絡すると、「えっ?急いで帰ります。ご迷惑かけます」 と取り乱した様子もなかったと。
葬儀では、大病を患い逝った夫を看取った妻のような物言いをし、焼香にきた人の同情を誘う。
ヒロさんは 「これじゃ弟が報われない」 と泣いた。3年交際して 義妹の逆プロポーズで結婚。
家族は、まだ若すぎる「世間をまだ知らないのに」と反対したが、籍を入れてしまった。
ヒロさんは 夫が気に入り購入したマンションに住んでいた。娘が生まれると弟夫婦は よく遊びに来た。義妹は「いいわねぇこのマンション。ここに住みたいねぇ」と幼い娘に話しかけて。
弟は「俺は若いからそんな甲斐性ないよ」と突っぱねていたが...2年後、階下の部屋に本当に越してきた。ヒロさん家は8階、弟家族は7階。保育園に入れる余裕がないと義妹に懇願されて預かり、いつの間にかベビーシッターにされた。弟はローンに負われ残業を増やし、休日は深夜までバイトに精を出した。義妹は夫の苦労には 「若いんだから平気よね」と。
働き尽くめの生活は 6年続いてる。平日も休日も夜中に帰る弟の体を心配したが、義妹から「元気にしてますよ。お義姉さん心配しすぎです」 と笑顔で言われ小姑めいた発言は慎しむ。
数日後、「姉ちゃん、俺んとこまで来てくれないか?」と電話が入り行ってみると、ゲッソリやつれ老けこんだ弟が、「俺もうダメかも。もう働けないよぅ」 と横たわっていた。驚いたヒロさんは夫を呼んで、病院まで弟を運ぶ。医師から「過労と栄養失調です。安静にしていないと大事に至りますよ」と緊急入院をした。義妹は 夜になってから不機嫌な顔でやってきた。
「あーっ!これじゃ明日からの仕事どうするの?」....そこにいた全員が凍りついた。
弟さんが置かれていた状況をヒロさんは初めて知った。夫は「働き蜂」で 自分は「女王蜂」。
このポジションを守る男を夫に選んだ...そう言われたが、もう子供もいるから我慢しよう、いつか風向きも変わるかもしれないと頑張ってきた。体調の異常にも気づいてた。でも それよりも、「感情がおかしいんだ。悲しみも怒りも喜びも、なんにも感じないんだ」 という。
ヒロさんは離婚を勧めた。弟さんは「姉ちゃんに任せる」とだけ言って、入院中はひたすら眠った。弟の寝顔を見ながら 「10年前はあどけなさもあったのに、この10年でくたびれたオジサンの顔になっちゃってるよ」 と声を殺して泣いた。
退院後、弟夫婦を訪ねると義妹が、「離婚する気は全くありませんから、変な事を主人に言わないでください」と居直り、入るのも拒まれた。弟がいるのは分かっていたが、なぜか、玄関まで出てこない。奥の様子を覗きながら、押し問答をして、一旦 8階のわが家に帰還。悪女じゃなくて、「こりゃ性悪女に睨まれて」捕虜になってるようなもんだ、と義妹の留守を狙って通う。弟は仕事を辞め、自宅療養をしているのに悪くなっていく...目に精気がなく、言うことがコロコロ変わる。離婚したい...いやダメだ出来ないと、ブツブツ独り言をいい、頭を抱えている。「心療内科に行こうか?」というと「俺は正気だ」と怒りだし 我に返ると「ゴメン」と謝る。「じゃ、お祓いでもする?」と言ったら、「やっぱり何か憑いてるのかなぁ」と聞かれ ヒロさんの方が慌てた。本気な訳じゃなくナントナク出た言葉で反応があるとは思わなかった。
義妹は「お金がない」と言いながら旅行にはよく出かけた。留守になると弟の好物を作っては運んだ。ゆっくりだが前向きな言葉を語りだし、ホッとした矢先に惨劇が起きた。何がいけなかったのか?足りなかったのか?なんで死を選んだのか? 心の整理が一生つきそうもないと。
弟が最期まで言えずにいた事があったのなら、探ってほしい。義妹は、なぜ常に冷静なのか?
弟夫婦の間にあった秘密をどうしても知りたい! と、故人との対話も望まれた。
鑑定結果
49日で成仏するが、本人に「自分は死んだ」という自覚がなければ未成仏霊になってしまう。
弟さんの時間は止まり、さまよっている状態。「苦しいけど頑張って生きていく」とメッセージが届く。自殺者の多くは後悔を口にするが、肉体がないのに 「生きていく」とは言わない。
奇妙だった。仕方なく 「自ら命を絶ったんですよ?」 と伝えても 「そんなはずはない!」 と否定される。これでは 「なぜ死を選んだのですか?」 と聞く訳にもいかない、滅多にないケース。ヒロさんに伝えると 「弟は...自殺したって思ってないの?頑張って生きるって...ソレ前日に私に誓った言葉...」 と涙された。自殺でも事故でもない!ということになる。
「俺、死んだのか?」 しばらくすると弟さんの方から問いかけられた。霊ラインが切断されないよう辛抱強く待ってた甲斐があった。「○月○日の午後を覚えてますか?」 と尋ねてみると「急に風邪をひいて...だるくて...眠くて」...そのあとは覚えてないと。「奥さんの姿を見ましたか?」 と追って聞くと 「見た!」 と。妻は京都を旅してる。見るはずないのだが、弟さんは見てる!。悲嘆に暮れるヒロさんに率直に伝えていいのか迷った。
1分ほど沈黙すると、「真実が知りたい。生き還る訳じゃないもの」とヒロさんの声が響いた。
「カタチはヒロさんが見た通りの自殺ですが、弟さんの意思じゃないんです。計画的で周到な霊的殺人...エナジーバンパイアなら可能なんです。距離は関係ないので。京都にいても」 と伝えた。義妹が終始冷静だったのも頷ける。予定通りの結果が出て取り乱すわけがない。
そもそも、義理の姉夫婦が住むマンションに越したいとフツー思わない。中古の物件よりも、新築物件を探すのではないか? 子供の面倒を見てもらうという状況も度を超していた。ほぼ預けっ放しで、子が親をまちがえ 伯母に懐くほどだ。もし、弟さんがエナジーバンパイアの存在を知っていたら、危機感を現実のものとして捉えることができたかもしれないが...。
エネルギーを吸われ思考力が低迷している時に、マンション購入となり、催眠に掛けられたように妻が命じるまま働き蜂と化して、無茶な労働を重ねてきた。当然エネルギーが消耗する。
暴君のような妻との暮らし、肉体も精神も蝕まれ、ギリギリ瀬戸際まできて、本能で姉のヒロさんに救いを求めた。「俺もうダメかも。もう働けないよぅ」と、残りわずかな力を振り絞って、生きようとしていた。「姉ちゃんの言う通りだ。俺が生きなきゃ娘はどうなるんだ」と。
義妹が計画を実行に移そうと決断したのは、療養する姿に「もう働く気はなさそうだ」と判断したとき。“ 生かさず殺さず ” で暮らしてきたが、働かない夫は邪魔なだけで、生産性がなくなった。元々食事も作ってなかったが 夫にかかる食費は勿体ない。次に駒を進めたい!離婚したら手に入らないモノが多過ぎるから、計画の中に離婚は入れてない。好き勝手に旅行してたのは どちらに転んでも困らない仕組になっていた。生命保険金が義妹の生命線。マンションと現金の両方があれば、しばらくは贅沢三昧できる。自殺なら、お人好しの義姉が子供を預かってくれる。その間に、いい男を捜して乗り換えればいい。見知らぬ土地の男がいいと。
「エナジーバンパイアと結婚すると命を取られる危険があるってこと?」とヒロさんに聞かれ「遅かれ早かれでリスクは存在します」と答えた。愛情とか人としてあるべき感情が備わってない。相手と状況に応じて演じ分ける。「弟さんがお祓いという言葉に反応したのも無意識では感じるものがあったのかも」...憑依現象と似てるんです、とお伝えした。ヒロさんも 姪が心配だと訴えていらした。弟さんの忘れ形見で、ヒロさんを母親のように慕っている。故人となった弟さんから「危ないから子供を引き離して」とメッセージが...。一応、お伝えする。
エナジーバンパイアと話す時は、決して目を見ないで 体にも触れさせないでください!と お願いして 尚 49日が経っても左肩や体左側に強い違和感があるようなら、成仏してない可能性があるのでお電話頂けますか?、49日前は勝手に成仏させられないんです、とご説明をした。
その後
翌日の夜に、「義妹がハワイ旅行に出かけた!」と 怒り心頭のヒロさんからお電話が入った。悲しみを癒すために行ってきます!「49日までには帰りますから」 と姪を預けに来たという。
常識や道理が一切通じないのもエナジーバンパイアの特徴だが、旅行支度をすませ着飾った姿でやって来た。初七日が済んだばかりだ。ヒロさんの怒りは燃え上がり、「恥知らずな行動は慎みなさい。演じるなら喪中の未亡人になさい!」 と一喝したが、「早く空港へ行かないと、乗り遅れちゃう」と、動揺も言い訳もない。行先も知らされず携帯に電話すると「ハワイですけど」と、切られた。
艶やかな花柄ワンピに濃い化粧。弟の存命中は年相応の格好だったが、「演出だったのか!」と、怒りの火柱が立つ。ブランド物の服をいつ買ったのだろう?...不審に思ったヒロさんは、調査に乗り出す。生命保険で支払われる金額が判り愕然とした。数社で合計7000万超。義妹は働いてない。弟の収入から出てる。
「お金がない」が口癖だが 毎月の保険料支払いを見れば、一目瞭然ある訳ない。まるで保険金殺人の被害者家族になった気分...弟の敵討ちをしたい。
生前に渡されていた合鍵がある。「もしもの時にこれ使って」と託され「もしもの時って?」と呑気に預かったが、今こそ使わねば!と、家宅捜索に浸入する。
義妹の服や下着が散らかり放題。「これじゃ何か無くなっても気づかない」と呆れながら遠慮なく、隅々まで捜す。義妹名義の通帳を発見!。葬儀の翌日には 100万円が引き出されている。葬儀費用は、お金がないと泣く義妹に代り ヒロさん夫婦が全額持った。内緒のお金があるとは夢にも思ってなかった。
「矛盾だらけだ」と調べていくと、ハワイ旅行のパンフレットを発見。出発日が合致した。
「5つ星ホテルでセレブマッチングパーティー」 と印刷され、ビジネスクラスの飛行機代にエステやネイルなど込みで 10日間滞在85万とある。セレブ男の調達に行ったと判明した。追い討ちをかけたのが、見知らぬ男と寄り添う2ショット写真。旅の目的は もしかして...?!
エナジーバンパイアの特徴の1つとして 狙った男はモノにする、気に入らなければポイ捨て。
生命保険会社に出向くとスレスレのところだった。黒も白と変えられる辣腕弁護士に相談し、「お金の問題じゃないんです。義妹に渡るくらいなら裁判費用で消えた方がマシ!」と意思を明らかにし依頼した。「蛇の道はヘビ」だ、仇討ちだ、と必要な書類を全調達して。幼い姪は、「おばちゃんとこがいい」と懐いてる。仕事をしていない義妹に保険金が入らないとなれば育児放棄する可能性も...。否、虐待するかも!... ヒロさん夫婦には子供がいない。姪を引き取り養女にする手段も考え始める。(弟の死後の遺言を守りたい)
帰国した義妹が保険会社に連絡し、初めて取り乱した。「女の人生を賭けた私の財産だ」と醜態をさらす。夫の死では冷静沈着だった女が、本性を晒す姿は、誰の目にも異様に映った。義妹は墓穴を掘った事にも気づかず、お金の行方をガツガツ追って、娘の事さえ目に入らない。
母親の異常な言動に怯えた娘は ヒロさんの家に駆けこむ。「おばちゃんがママになって!」
49日法要の席を、欠席した妻は、病院にいた。ストレスとかショック状態とか 医師から聞かされたが、ヒロさんは何がショックなんだ!と恫喝した。一気に老けこみ 目は宙を泳いで、能面のような顔をしてる。点滴が肉体を保ち意識はあっても、もう悪さはできないだろう。ヒロさんの執念のエネルギーがエナジーバンパイアを末路に導いた。姪を引き取り育てていくと弟さんの位牌に誓う。その夜、不思議な夢を見たと、お電話を頂いた。
夢に現れた弟さんが、声を上げそうなほどリアルな笑顔で愉快そうに笑う、その声も耳に残り、気のせいか「ありがとう」と言われたような...返事をしようとし目が覚め 夢だったのか!と、しばらく寝つけず瞼をこすったと。
ヒロさんに「ご成仏なさったんです」 今生の肉体は手放したけど 魂は不滅ですから、声帯の振動なしでは睡眠中が対話しやすいんです、と通訳した。
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