エナジーバンパイア彼氏の母 エネルギーを奪う姑
Y県在住のフミさん(40代)は 6歳下の彼からプロポーズされていた。彼を愛してる...でも! 辛い、と打ちひしがれた様子でお電話を頂いた。婚活パーティーで知り合い、一緒にいて楽しいからと盛り上がり、早い段階で半同棲へと。彼は実家で母親と2人暮らし。2つの家を伝書鳩のように行き来していた。「お袋はまだ若いし友達も多いから、同居しなくていい」...「キミと結婚できるなら、なんでもする!」 真剣そのものの顔で言われていた。
フミさんは別れたくないと言う一方で、「彼の家で3人でいると 鈍い頭痛と疲れを感じてキツイ」これまで経験したことのない言い様のない疲労感に襲われると。自分の部屋に帰って来ると化粧も落とさず朝まで眠りこけた。最初は「初対面で気を遣ったせいかな?」とスルーしたが、同居しないかわりにと頼まれ、休日には未来の姑のご機嫌伺いに行くようになった。都度、例外なく、フミさんは疲労困憊し眠った。化粧崩れした顔が朝の鏡に映る。仕事で深夜帰宅になっても就寝前の肌の手入れは欠かしたことがない。(私らしくない)....「なにか変だ!」 胸の奥がザワつく。
「休日は自分の部屋で疲れを取りたい」と引きこもり外出を拒んだ。「お袋は賑やかだから疲れるよなぁ」と彼は他人事のように言い、実家行きは中止に。同棲して6ヶ月、役所から婚姻届をもってきた彼は 「先に籍を入れよう!」 と屈託なく差し出すが喜べない。彼の母親は傍観も諦観もしないだろう、牙を向ける矛先は 「彼じゃなく自分だ!」 直感がいう。案の定、嫌な予感は的中。退社時間になるとヒツウチで携帯が鳴る、繰り返し鳴るが、彼が帰宅する時間になると止む。5日経っても収まる気配がなく打ち明けた。
抗義の電話を入れた彼は 「手塩にかけて育てた親を裏切るのか?」 と怒鳴られる始末。逆上した母親はフミさんの携帯に直接、「私はね孫が抱きたいの。アナタの年齢では博打でしょ? 若い娘さんとの縁談がきてるのよ」 と。頭から冷水をかけられた気分になり、彼に「この結婚はムリよ」と告げた。焦った彼は「電話じゃダメだ」と車で実家へ。深夜に戻ってきたが、母親との話については語らず 「頭が痛くて割れそうだ」 とベッドに倒れこんでしまった。
翌朝聞こうとしても「ゴメン、本当に具合悪いんだ」声も弱く、覇気が失せて目は虚ろ。出勤する気力もなく一日臥せった。「まるでバンパイアに全身の血を抜き取られたようだ」 と、言い得て妙なことを口にして。
「キミと結婚したいんだ」と彼は、その後も実家へと独り足を運ぶ。「結婚の最低条件が同居だ」とハッキリ言う母親に 「この狭い家じゃ話も筒抜けになるし、俺が嫌だ」 と投げても、話は平行線を辿った。母は「検査したら心臓が悪いそうだよ。ここで私が孤独死しても平気なの?」と。
彼は実家へ帰るようになり、「深夜には戻るから」と自ら交わした約束を破って、連絡もない。
朝の音に「潮時かな」と心の整理をしようと決心し、友人と飲んで夜帰宅すると彼が食事を作っていることもあった。遅く帰宅したフミさんに 「浮気してるの?」 と平然という。 「百戦錬磨でキャリアを積んできたキミに 俺なんか敵うはずないけどさ」 と付け足して。そして、翌朝になると、前夜の話を忘れ、「入籍だけでも先にしようよ」 とせがむ。
フミさんは「彼を愛してるから障害がなければ迷わず結婚するけど、同居は絶対にムリ!」、彼が母親に執着するなら、いっそ別れた方がいいような気もするし、段々判らなくなってきた。姑になる人が普通の人なら こんなに迷わないと。干渉が激しく平気で嫌味の攻撃をしてくる...こんな人と一生付き合うのかと考えるだけで落ちこむ。体力が落ちて何度も風邪をひくし、呪詛でも掛けられてるのかと本気で思った事もあるという。彼と結婚して、将来的には幸せになれるのか? それとも嫁姑問題が続くのか? 霊視・未来透視とチャネリングで彼との縁を探って欲しい、今の全身不調も治して!とオーダーを承った。
鑑定結果
愛の性質が、元から異なっていた。母性本能を発揮して運気の底上げができる妻と、依存する夫。彼側から見たら 「相性抜群」となり、フミさん側から見たら 「滅私奉公」 に年々向かう関係。
相性はドチラの立場で観るか?で変わる。愛の深さは現時点では「相思相愛」だが、未来を透視すると、独りで苦労を背負うフミさんがいる。彼は?と言えば、相変わらず母親の下僕となり、妻と母の間を右往左往し、優柔不断は治ってない。スタートこそは同居なし!で始まるが、実家の近くに新居を借りる破目になり、姑は合鍵を作りズカズカと入ってくるだろう。スープの冷めない距離が条件で、さらに通勤も考えると、フミさんが譲歩せざるを得なくなる。
姑の邪魔がなければ温もりのある家庭も築けるが、存命中は耐えるしかない。息子と嫁の中心に立って陣頭指揮をとりたい姑さんの問題点は、「性格が悪い」とかの単純な事ではなく、生まれながらのエナジーバンパイア。治しようも救いようもない。自分より目下と判断したらトコトン食い下がり貪欲さ剥き出しで、到底フミさんの敵う相手ではない、と例題を交えてお伝えした。この結婚は長い目で見たら、賛成しかねる苦労続きで、愛情云々の問題ではなくなっていく質のモノだと。
体調が崩れる、気力が衰える...その原因は母親にエネルギーを吸い取られた結果であり メンタルの支配が進むと想念だけで操られる。フミさんが仕事で得た収入も、気づかぬ間に差し出す可能性も充分ある。お金が嗜好品のエナジーバンパイアは満足する事を知らない。稼げる者にはドンドン稼がせ貢がせる。「家族なんだから!」 その時だけ家族を強調するため、他人より厄介な存在。
「この人は 息子の運命に何処までも憑いていくつもりですよ。その為に育てた、権利がある!」
と、強烈な念を抱いてるので「言葉」となって聞えてくるんです、と伝えるとフミさんは 「ソレ何となく解かる気がする」と溜息まじりに呟く。犠牲はフミさんだけじゃない、息子である彼もまたターゲット。いつか老いた時の備えとして育てたと言っても過言ではない。それを例えるとしたら 大袈裟に聞えても...いつか困窮したら食べてもいいしと鶏を飼う(?)のに似ているかも...。
「まさに、そんな感じ!」と笑いながらフミさんが相槌を打ってきた。心当たりがあるという。
収入に見合わない金額の生命保険料を払い続け、死亡時の受取人は母親で、彼にも「育てたんだから結婚してもここは譲れない」と宣告していると。ずっと言われ続けてきた彼には違和感がない。
生い立ちを聞くうちに「この人を守ってあげたい」と愛おしくなり情が募って、遂には容易に手放せなくなり今に至った...そんな成行きがあって 運命の人なんだと勘違いしてたと語るフミさんだが、呪縛から解き放たれていく。運命にも縁にも「良」と「悪」があります、悪縁とか...光だけじゃなく「ここぞの時には!」、影の部分も両目開けてしっかり観てください、と。そしてエナジーバンパイアが好む行動と対策について、現時点ですべき事柄を念入りにクドクドと伝え、メモを取ってもらった。箇条書にする理由は、段階を追って効率的な撃退法を使うため。
彼と別れて終わりじゃない。良い人ほど狙われる。一度狙った相手にはコードをこっそり繋ぎ、極限まで吸い尽くす。アンチエイジングには他者のエネルギーが効く。コードを切らなければ危険!
既に、相当量のエネルギー移行が視られた。実家に帰る度に彼は邪気を拾い 憑けられ 穢れを纏った体でフミさんの部屋へ。頭痛がヒドイと騒ぐのに、横になれば即入眠。霊障系は薬が効かない。
彼は「キミといるとグッスリ眠れる」と嬉しそうにいう。その分、フミさんが落ちていってるのには無頓着。せめて「キミは大丈夫?」と一言あれば!。
自分のことで精一杯な彼には、愛する人を気遣う心が育ってない。「かわいそう」と慰められた事に満足し「俺が元気になれば喜ぶ!」と見当違いな解釈をしていた。彼自身はエナジーバンパイアではないが母親の影響を全身に被っている。
父親は、彼が大学進学の年に肝硬変が悪化し離婚。狭いアパートで一人暮らしをしてる。
フミさんのお祓いをしながらコードの切断。供給ストップに母親は焦りふたたび繋ごうと煽ってくるが、無視して欲しいと伝えた。
彼との結婚は 実りのない試練の人生に自ら飛びこむようなモノ。同棲にピリオドを打ち、この縁を白紙撤回して、自由を享受し次に待つ良縁に向かって欲しいと。
その後
エネルギーを盗られ続けていたフミさんの行動は早かった。鑑定した翌日、突然倒れた母親の看病で彼は実家にいた。「お袋が急に具合悪くなって大変なんだ!」と電話で騒がしい声を立てる彼に「ずっと側にいたら?アナタの家だもの」と、冷静さを取り戻し...(どうせ仮病でしょ?)と。
エナジーバンパイアについてネットで調べ始める。彼がいないと「カラダが軽い」ことに気づいて 尚 身が入る。あばいてやると調べていくと、経験者のブログでゾッとするほど似たケースを発見した。「ソックリだわ。人生を棒に振るとこだった」と決意を固めた。同棲といっても彼が転がりこんで来ただけで、荷物はMサイズの段ボール一箱あれば片付く。衣類しかない、つまり、通帳や印鑑等の重要書類は全部 母親の管理下に...(そういう事ね!信頼してなかった証拠がコレね?)「結婚する意思が本物なら、捨ててもいいような季節物の着替えだけって、矛盾してる!」
「目から鱗」の気分で、目が醒めた。宅配便で送ればいいと荷造りを始めたところに、彼が...。「なにしてるの?」と虚ろな目で現れ、「もう終わりにしよう」とキッパリ直球で返した。話し合う気力の持合わもない彼は、面倒臭いとばかりに実家へ後戻り。サッサと荷造りして送り返した。「アナタのお母さんの道連れにはなれない」 と言うと、「お袋は独りで俺を育てたんだ」 と言われバカバカしくなったとフミさんから報告のお電話を頂いた。
彼の父親は不調を抱えて昼夜働いていた。18歳の年、持病の肝硬変が悪化し収入が減ると、母は離婚届けを突きつけた。父名義の家を父が出た。母親が人を介して再婚相手を探すなか、生活は父の送金で賄われた。彼の中にある記憶は、幼少期から母親によってゴッソリ摺り替えられていた。大学の費用も「自分独りで工面した」と息子に植えつけた。何も知らぬ息子は父を怨む。ときおり父親らしき人から電話が入っていたが、冷たい口調で「用はない」と切る彼の姿を目撃している。
思い返せば妙な事ばかりだったと、フミさんは部屋の鍵を替えた。激情形恋愛から冷めて自覚したのは “体力が戻ってる。咳が出ない” 変な眠気も消えてる!と。嬉しくなって友人と飲みに出かけたりし楽しんでいた。しばらく連絡もなかったので不運は去ったと早合点したが「もう俺のこと愛してないの?話し合おうょ」と、忘れた頃に連絡が来るようになる。鍵を替えたことも知っていた。「行っても入れないし、ドアの前で夜中まで待ってた」と淡々と語る口調が薄気味悪い。
フミさんは 荷物整理してケリつけたつもり、彼は 彼女が怒ってるから冷却期間を置いたつもり。
会いたいと催促の電話が毎日くる。ストレスを感じたフミさんは「30分だけ」と念を押し会った。「アナタのお母さんがこの世にいる限り絶対ムリ!アナタと話すのも勇気がいるし、怖いの」 と、有無を言わさず伝えて帰宅。彼の顔を見ないよう視線を背けた。目が合ったら、自分まで操られそうで本当に怖かったから、意思だけ伝えて完璧にケリをつけたかったと。恐怖心が感情のすべてを退けたのが近道を創った。リミット30分!息子を媒体にしてコードを繋ぐには時間が足りない。
段階を踏んで防御と反撃を繰り返した。身代りとして小さな観葉植物を幾つか置いた。1つ枯れたが他は問題ないとお電話いただき、「彼氏候補が今いるんだけど バンパイア家族の心配はない?」。