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ご相談内容

恋愛の縁・結婚の縁 10年同棲した結果

T県在住のリエさん(30代)は、失恋したかのように「彼の気持ちがわからない」と、怒りと不信感をつのらせていた。恋愛のスタートは彼から甘い告白を受けた10年前に遡る。5歳上の彼は直属の上司。仕事ができて将来有望なイケメンで、女性社員の注目を浴びていた。浮いた噂一つもない彼に好感を抱いていたリエさんに、迷う理由はなかった。休日にデートを重ねていくうちに、「別れる時がつらいね。一緒に住もうか?」 と提案されて、数ヵ月後には同棲へと...。

キャリア志向の強かったリエさんにとって、この時機が最も恵まれていて、至福の時だった。
仕事の悩みも真剣に聞いてくれる彼が頼もしく、彼の愛を独占できていることも!すべてが!輝いていた22歳のリエさんに、結婚への意識は薄かった。念願のクリエイティブな仕事に就き、作品を商品化したいという意欲が高く...結婚となれば「身内の縛り」で煩わしくなる。リエさんも彼も同意見で、2人の生活に問題はなく、そのまま時は流れていった。

7年の歳月が往こうとしていた。若く怖いもの知らずだったリエさんも29歳となった。
仕事のスキルも上がり、いくつかの作品は評価を得たが、商品として世に出るまでには至らなかった。比べて彼はトントン拍子に昇進をし、多忙を極めていた。追い討ちをかけるように有能な後輩たちが入社してきていた。リエさんは次第に肩身の狭い気分に捉われていく。2人の関係は社内でも周知の事実。釣り合わないとは言われたくない!...苦悩の中でリエさんは次第に仕事への情熱を失い、覚えた酒で発散するようになる。

彼は変わらぬ優しさで慰めてくれるが、望んでいる言葉は与えてくれない。「気にするな!」と言われ却って落ちこむ。ある日リエさんは「このまま一生同棲なの?別れたいのなら言ってね」と訴えたが、彼の答えは「愛があるから一緒にいるんだし。このままがいい」と 歯切れが悪い。
浮気してる訳でもない彼の その言葉に望みを託し、「もう少し待ってみよう」と忍耐を選んだ。
当然いつかは、結婚してくれるものだと。

なんの兆候もないまま更に3年の歳月が過ぎ、リエさんは32歳の誕生日を迎えた。
「彼のような才能は私にはない」 結婚して子供が欲しい...と切実に思うようになり、それを彼に伝えた。今までのような遠い目標を語る口調ではなく「結婚する気はないの?10年間一緒にいて気づいたわ。生活共同体だったけど運命共同体じゃなかった。結婚って、そういう事よね?こんな生活は逆に不自然よ」。しばらくの沈黙の後に、彼は「仕事がおもしろいし、今は結婚に縛られたくないんだ。愛情はあるし一緒に暮らしたいけど...結婚は重い」。


いつも出てくる「愛情はある」の台詞に翻弄されてきたと呟き、彼の本音がどこにあるのか分からなくなった。浮気もなければ仕事一途なのもわかるが、「私は結婚したいの。10年前は幸せだったけど消費期限って、あるわよね?」と。愛されていると感じる事もあるが、必要とされている感が曖昧で先行きが不安になる...今は お酒を飲んで気分を晴らしている、と。
定刻で帰宅できるリエさんは 会社の近くに行きつけの店をつくり、終電まで飲むことが増えた。

帰宅すると彼が夜食を用意してくれたり、介抱してくれたりと、夫らしき真似事をするが、心に響かない。それよりも、酒に付き合ってくれ愚痴を聞いてくれる彼の部下のほうが気楽でいい!とリエさんの落胆は彼の想像を超えるものだったが、肝心な彼が気づくことはない。嫉妬さえしない彼に苛立ち、酒の量は増えていく。「彼の部下」はリエさんにとって恋愛対象ではなく、愚痴を聞いて慰めて癒してくれるユルキャラのような存在だと言い、なぜ付き合ってくれるのか考えた事もない...「だって彼の部下だから」と、語尾をにごした。


『結婚して幸せな家庭を築く』...リエさんの願望はその一点。それが今の彼なら一番良いけど、果たしてそれは叶うのか?もし結婚できても不幸になるなら「もうイラナイ」ともおっしゃった。
そして、今の彼と別れても出会いはあるのか?その出会いは幸せな家庭へと繋がるものなのか?それらのことを霊視透視で視て欲しいとのこと。そういう未来が視えにくいなら祈祷で道を創って欲しい...10年もの間 彼しか知らないで来て「我慢するのはもう嫌!幸運を引き寄せて」と。
最後に、彼の正真正銘の本音を知りたいとおっしゃった。

鑑定結果

彼の性格と本音を“セット”霊視してみると、人としての誠実さが視え、リエさんを愛してるというのも嘘ではない。言葉数が少なく誤解を受けやすいタイプだが、愛情が消えたのではなかった。彼なりに...という一言が前提になるが...。仕事と趣味が一致している人で、彼の発想は「仕事は努力すれば自分を裏切らない」と迷わずガンバレる。そのため恋愛は淡白になり、結婚が面倒に感じられてしまう。幼少期に両親がケンカばかりしているのを眺めながら、愛を知らずに彼はオトナになった。彼の中では「結婚=幸福」ではなく不信だった。
結婚して遠慮がなくなると相手を傷つける言葉も平気で放つ...純粋に愛だけで繋がっている方が遥かに幸せだと考えていた。裏を返せば、結婚に対しては「臆病」に支配され踏み切れない。

リエさんとは真逆な発想の持ち主。彼の結婚観は「愛」で軽はずみにするものではなく、度胸が必要だった。奈落の底が待ち構えていても身を投じる...その覚悟がなければ 両親の轍を踏むと怯えている。恋愛という愛はあっても、変な話が、「一緒に死ぬ」ほどの覚悟はない。リエさんに対してもそれが適用される。夫婦の情愛というものは「小説かドラマの中だけ」に存在するお伽話だった。手が届かない高嶺の花のごとき幸せには、手を出さない人。

それでも、同棲して2年した頃に手折ってみようか?と賭けに出た痕が視える...深く覗いてみると...笑顔で仕事に励むリエさんが。結婚の時期は、この頃にワンチャンスあった。仕事と恋が、幸せの両輪だと楽しんでいた時機にあって 彼の気持ちを真剣には受け止めず「いつでも叶う」と驕り、以後 彼は「愛があればいい」と一層深く思うようになっていった。頑なに!仕事をこなし昇進の道を切り拓いた。彼がリエさんの右に倣ったのだった。まさかの逆転劇!が隠れていた。

リエさんには、ありのまま詳細を伝えた。「もう、彼は結婚を手放している」とも。
仮に、彼が結婚を考えるとしても、5年以上先になることも含めて。「そんなに待てない」と言うリエさんに「たとえ結婚したとしても、彼は大切にしているつもりでも、大切にされてると感じられないかと...」求めるモノが擦れ違ってしまうのは 相性の問題で、結婚には適してなかった。
恋愛の縁は最高だが、結婚となると別物で、2人の絆は結婚の縁ではなかった。

早く子供が欲しいリエさんには、彼に代わる新しい出会いが必要だが、それは既に訪れていた。

「なによりもリエさんの気持ちを優先してくれる男性に、心当たりありますよね?」と伺うと、「そんな人がいれば悩まずに乗り換えてるわ」と一蹴されたが、今の彼のときと同様で、気づかずに「愛の恩恵」にあずかっている。失わないと「温もり」があることに気づかないのは誰しも同じ。恋焦がれている相手であれば、些細なことで感激したり憤怒したり...だが、心地良い相手の場合は、意外にも気づかずに進行している。自覚がないのではなく遅いだけの、恋愛してる状態のさなかにいた。今彼と出会った時のような燃える恋は、恋だけで終わる率が高い。

「一緒にいて気も遣わず、心地良くて、至れり尽くせりをしてくれる人が、いますよね?」もう一度伺ってみた。「よーく思い出してください」、「執着と愛は違います」と付け加えて。

「えーっ? 彼の下にいるケン君?私より2歳下よ!まぁねぇ下僕的に尽くしてくれるけど..」眼中になかった相手で、そもそも男として見てなかったと。そう言ったあとで、気晴らししたい時には飛んで来てくれたり機転が利いて 「便利屋みたい」と本人に言ったところ「リエさんは笑顔が似合う」と照れたように言う。歯に衣着せぬリエさんは「その顔が可愛いなぁー」と口に出し、子供でもあやすように頭を撫でたりしていた。弟みたいに扱っていたかもとおっしゃる。(ペットみたいだけど、度々2人で酒を飲み 男の頭をナデナデは双方共に好意ありの証し)

そして、心を許している証しでもあるが、これが友達の域を超えていることに気づかないまま、新・恋愛はスタートしていた。異性への意識が彼に集中して 10年の歳月をムダにしたくないという執着が、真実の心に蓋をしていたが、遅かれ早かれ気づいていたはず。「彼の部下」であるケン君に、心を寄せてはいけないと無意識でシャッターを下していた。無理やりにも開けられた感情にリエさんは戸惑いを覚えていた。その戸惑いが「事実だ」と示す感覚なのだが。

今回は「好きだ。付き合って」の言葉がないから尚更に「ところで私たち、いつからなの?」ともなる。上司の彼女に愛の告白などできるはずもない。しかし心は素直なもので 目が離せずに見守る気持ちで見ていたら、酒を煽るように飲んでるリエさんを見かけた。最初のころは遠くから見守るだけだったが、酒に溺れていくリエさんを見ていられず「偶然ですね」と思い切って声をかけた。「いつからなの?」と問われたら、その頃からだと言える。

「そういえば 結構イケてるのに彼女の話って聞いたことないわ。仕事しか興味ないのかと...」リエさんは続いて「ゲイかと思ったくらい」と語るが...もしもそうならリエさんの酒に付き合うこともないと言うと、「あ!そうよね。愚痴聞いて楽しいはずないものね。泥酔した女を自宅まで運んで介抱して...吐いたら朝まで付き添って、お粥を作ってくれてたわ」と他人事のよう。
「ケン君の、ひたむきな愛をもう少し汲んであげては?」と。リエさんの心に「ケン君が彼氏」という明瞭な構図がなくても...誰かに取られたら嫌だ!という想いは芽生えていた。


リエさんの心を巣食っていてた黒い感情...未練や怒りなどのマイナスエネルギーが膨張していたため、これらを祓い、新たな恋を受け入れられるようエネルギーの流れを整えていく。閉塞感を取り除かなければ、幸せな結婚には繋がらない。リエさんの忍耐が限界を超えた時から負のエネルギーは溜まり続けていたようだった。自ら気づかぬうちに自身を覆うほどにネガティブエネルギーを纏っていることは珍しくない。鑑定中に視えたモノからエネルギーの切替えをしていた。
この種のモノは自身の幸運に障害をもたらすが、他人には大きな影響がなく...「ただの気分」として見過ごされる事が多い。エネルギー調節法もお伝えし遠からず結婚は叶うとお約束した。

その後

「無理して気持ちを切り替えようとしなくても、流れは自然と変わります」とお伝えしていた。
リエさんは同棲をすぐには解消せず、一緒に暮らしながら自分の感情や「心の温度」を図っていた。心身共に楽しき交流は久しく絶えている。愛情=構ってくれる、という方程式は過ぎた昔の一時的な現象だと リエさん自身が納得しなければ!...割り切りをつけなければならなかった。

執着なのか?!...と自問していると、一緒にいても別に楽しくも嬉しくもない!! と心の声が、日を重ねるうちに大きくなっていった。わずかの残骸もなく片付けるには、リエさんの納得が重要だった。それがなければ次へと橋を渡れない。生体磁場エネルギーは回復して気の流れは速やかになっていた。冷静に、気持ちのブレもなく、自分を取り戻していける。もちろん悲しみもない。仕事以外には関心をもたない彼の心を捉えたリエさんは「この人と結婚していたら淋しさに耐えられず離婚してたかも」と考えるようになった。

ケン君とは、ヤケ酒ではなく「楽しい宴席」のような酒を酌み交わしていた。
リエさんがいると連絡をしなくても現れるのが ケン君だと...「今日はどうかな?」とワクワクしながら飲んでると、さりげなさを装ってやってくる。元気そうな笑顔を向けると子供みたいに嬉しそうな表情をする。リエさんが帰るまで彼も帰ろうとしない。決めるのはリエさんで、それが「とっても心地良いーー♪」と、いつの間にか盛り上がっていった。
そうなると、もっと一緒にいたくなるのが人情というものだが、ともかくリエさんは新たな恋の進行を楽しんでいた。

帰宅するとケン君に「ただいまメール」を送る。まだ彼と同棲中だということさえ忘れて、長文メールの遣り取りを楽しんでいる自分を発見して「あれ?私ったら..なにこれ?」と時計を見れば一時間もしていた。同棲中の彼から「ゲームでもしてるの?」と言われるほど没頭していたと。

別れを前提とした同棲を続けていたが、次第に「時間がもったいない」と考えるようになっていった。ケン君とは お酒だけでは物足りなくなり休日にドライブへ行ったりと、以心伝心でそれが適っていく。「不思議なほどに」とリエさんは付け足して、ケン君といると惨めさが消えて自分が一番に感じられるのに 彼といると自分が無能に感じる...なぜかしら?...ケン君がいい!と答えを出した。同棲を解消したいと彼に告げると、相変わらず「もう少し待てないか?」と言われ、「もう充分に待ったつもりよ。子供が欲しいの。母親になる時期まで逃したくない」と切返して、彼名義の部屋をあとにした。リエさんが心の隅々まで納得に費やした時間は、3ヶ月もない。

10年暮らした部屋を出るときも、心残りが微塵もなく、清々しさをモノにした と。行動してみたら切なさも懐かしさも何もなくて、幸せ行きのチケット持って旅立つ気分で 羽のような解放感に包まれていた...「なぜ もっと早く気づけなかったのかしら?執着だったのね」!

新恋人ケン君は、詳細に説明しなくても 早い段階からリエさんの事情は知っていた。そして愚痴と涙の理由を大量に聞いていたのも、ほかならぬケン君であり、煩わしいことは何も触れる必要がなかった。ありのままを受け止めるという姿勢を常に示していた。「傷口には触れないよ」と暗に示し、「傷があるなら僕が治す」と真顔で説得を試みた張本人がケン君だった。


リエさんは会社を辞めた。もちろん寿退社だが、相手が10年越しの彼ではないことに同僚の好奇の目が集中した。標的となったのは、元・彼ではなくケン君だが、彼は「いっときの事だから気にしないで、幸せなんだから」と泰然と構えていた。2人で探した新居はリエさんの好みで彩られる。
すべてが突然の出来事のようであり、前以て用意されていたようにも感じるとリエさんは言った。激流に身を任せたが、それは呑まれたのと違う...「私は幸運のチャンスをやっと掴んだの」と。早々に入籍を済ませていた。

挙式が後になってしまったが「しなくてもいい」と言うリエさんを、またも、彼は説き伏せた。「初婚なんだから。ウエディングドレスを着せたい」と妻となったリエさんにケン君が示した愛のカタチ。「一生の思い出だから。写真をたくさん撮って子供に見せよう」と熱く語られて感動しちゃった...まだ妊娠もしていないのにと、幸せいっぱいのお電話でご報告をいただいた。このときリエさんのお腹の中には小さな命が宿っていた。淡いピンクの服を着た女の子が視えた。

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