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最近の記事
3ヶ月の悪夢の代償
ルームシェアを解いた友達R子のあとに・・・・・
高校のクラスメートが夏休みを利用して、ゲッソリした顔で東京まで遊びにきたことがあった。
「どうかしたの ? 疲れてる ? 」 と聞くと、しばらく沈黙したあとにボソボソと話し出したのは、
「 こんなこと・・あんまり人に言えないし。助けて欲しくてサ。中学時代の恩師が事故で急死して・・・それから毎晩 ! 夢にくるんだ。」
「 夢で思い出語るとかのレベルじゃなくて・・・『 淋しいんだよ。Mちゃんに一緒に来て欲しいんだ。頼むよ。来てくれるよね ! ? 』 って毎晩夢にきて・・・眠れないし怖くって、どうしよう 」 。
彼女は、取り敢えず ! と3泊4日の予定で来てた。
その間に、その浮かばれない恩師を友達からどう遠ざけようかとアレコレ考え・・・なぜか歌舞伎町にゲームでもしようかと。深い意味もなく連れ立ち遊びに行っちゃった。たぶん19歳の若さゆえの行動選択でそういうことになったかな~? と。
世田谷の私の部屋に帰宅したのが もう深夜だった。
彼女に翌朝 「 どうだった夕べ ? 恩師 サン( 恩師なのか悪霊なのかって感じだけど ) は、来た ? 3ヶ月もそんな夢ヤバ過ぎだよ。参ったねぇ~? 」 と聞くと、Mちゃんは、サラリと、言ってのけた。
「 あれっ! 言われてみると、夕べは来なかった~。あの執念深いのが不思議に全然見なかった。あ~ぐっすり睡眠取れた ! ! 」・・・・・
私たちはこれでホッと安心してしまった。その日は、ちょこっと昼寝もしたけど、悪霊化恩師はやっぱり出てこないし、気配すらなかったからだ。
気をよくしたMちゃんは3ヶ月間の寝不足も解消して、「 今日は渋谷行ってみたい 」 とのリクエストにフットワークよく繰り出し、年相応に遊んで終電でやっぱり深夜に帰宅。
・・・・携帯電話のないその時代のこと、部屋の鍵を開けたら、家電話がガンガンって形で鳴ってた。リンリンじゃなくてガンガン・・・嫌な感じが耳を突いてくる。すぐに電話を取ることが出来なかった。私の顔を見て・・・Mちゃんの顔が引きつってる。
私にも判った。この電話は私宛じゃない !
「 はい。もしもし・・・・・」 いたずら電話であって欲しかったけど、違った。
Mちゃんのお母さんからの半狂乱の声が、読経のように響いてきた。
「 夜9時過ぎに、息子が事故で死んじゃったの。娘は大丈夫ですか ? 」・・・と涙・涙の声、Mちゃんと弟さんは2人きりの兄弟。弟さんはまだ17歳の高校生だった。
お通夜の支度前に帰省するにはタクシーしか手立てはなく、2人で深夜1時にタクシー拾って帰省となった。
顔面蒼白の友達に付き添い、クルマは深夜の鬱蒼とした道をひた走る。
ところが、S県に入ったところで ( よりにもよって ) ひどい渋滞に巻き込まれてしまい、徒歩のほうが早いのではないかと思うほど、全く動かない。 挙句に小雨がパラパラ降ってきた。
後部座席のMちゃんは魂抜かれたかのような蝋人形状態。肩を抱いて声をかけ続けるも無反応。無理もないけど・・・これヤバイよぉ~・・・。
「 あっ ! 」 ・・・・ヤバイという感覚で突然・・・・
「 今日は、8月15日だったんだ ! 」 と気づいた。頭に落雷うけた感じ。今でもそうだが、今日は何日か ? ということに鈍いというか疎いというか・・・。 ともかく7時間かけてMちゃんの実家にようやく辿り着いた。
後日、Mちゃんの実家で聞いた話では、17歳の弟さんは、バイク好きで後部に友達乗せて近所の慣れた道を、自転車でも乗るように軽く流していたらしい。細い道だからスピードも出せないし、もちろんヘルメットも被っていた。
それが・・・すれ違うクルマをよけようとして転倒してしまい、友達はバンドエイド1つで済むかすり傷・・・なのに、弟さんはヘルメットが ( しかも頑丈なのが ) 真っ二つに割れて頭蓋骨骨折の即死。
Mちゃんは、それ以後 あの忌まわしい夢は見ていない。
「 あたしの代わりに弟を連れてっちゃんだ。もし、あのまま実家にいたらサ、あたしが連れてかれてたんだよね 」 遠くを見る目で言うMちゃんに、それこそ私は言葉が出ない。
身代わり ! ?
恩師はMちゃんが欲しかったはずだが、結界張ってて近寄れなかったら・・そして期日指定だとしたら、やっぱり1番似ている人を連れていくのかと・・・。
あれから数十年経つ。
彼女は今、幸せな家庭を築いている。息子さん2人いると聞いたが、もしかしたら ! ? とも思っている。
今年も、8月15日が近づいてきている。
2011/06/15